クリスマスの伝統菓子
【 シュトーレン & パネットーネ 】

クリスマスの伝統菓子、アドベント菓子として、ここ数年で日本でもすっかりおなじみとなった、ドイツ発祥の「シュトーレン」とイタリア発祥の「パネットーネ」。今回は、その紹介とあわせて、料理家の星谷菜々さんにはおすすめの楽しみ方と意外なアレンジ方法を、インテリアスタイリストの大谷優依さんにはテーブルでのフォトジェニックな盛り付け方を教えていただきました。

  • 料理家
    星谷菜々
    女性誌を中心に、家庭料理やお菓子を提案。J S A認定ワインエキスパート。自身のアトリエ「apron room」では毎月お菓子教室を主宰。
  • インテリアスタイリスト
    大谷優依
    日々の暮らしを自然に、華やかに演出する空間スタイリングやテーブルコーディネートが得意。ライフスタイル誌などで活躍中。

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シュトーレン

シュトーレン(シュトレン)は、ドイツ発祥の伝統的なクリスマス菓子。その起源は14世紀ともいわれ、「Stollen」の意味である「坑道」に形が似ているからという説や、イエス・キリストのおくるみを想像させるからという説など、その語源の由来には諸説あるようです。ドイツに伝わる古い習慣では、クリスマスまでの4週間のアドベント(待降節)の間、少しずつスライスして食べていくというのが正しい楽しみ方。酵母の入った生地にはドライフルーツが練り込まれ、上に粉砂糖をたっぷりとふりかけられているのが特徴です。

Hoshiya's VOICE
熟成過程も楽しんで、真ん中から徐々に。

「なるべく薄くスライスして、熟成過程も楽しみながらじっくりと味わいたいですね。端からではなく真ん中から徐々に切り進めていくのが、乾燥させない上手な食べ方です。保存方法は、切り口同士を合わせてラップに包み、常温で。まわりの粉砂糖は生地の風味が移っておいしくなるので、いっしょにいただくのがおすすめですが、お好みで軽くはらってもOK。ホットワインやスパークリングワイン、甘口ワインなど、アルコールとの相性も抜群。コーヒーや紅茶はもちろん、お抹茶とも意外と合いますよ」

Hoshiya's VOICE
クリームチーズを使ったアレンジも

「熟成過程を楽しむシュトーレンですが、少し変わった食べ方をしたいときは、こちらもおすすめです。薄くスライスしたシュトーレンにクリームチーズを塗り、お好みのハーブやスパイス(写真はローズペッパーとタイム)をトッピング。ドライフルーツや粉砂糖の甘さにクリームチーズの塩気と酸味が絡み、絶妙な味わいになりますよ。甘口ワインなどとも相性が良く、お酒も進みそうですね」

Otani 's VOICE
クリスマスカラーでフォトジェニックに。

「シュトーレン自体に彩りが少ないので、そのままだとお皿やテーブルが地味になりがちですよね。そんなときは、コニファーの枝をカップに飾り、姫リンゴをお皿のまわりに散らせば、あっという間にクリスマスカラーに。粉砂糖をさらに振りかけてお皿の上に雪化粧を施し、壁にイルミネーションライトをセットすれば、クリスマスムードたっぷりの、写真映えするテーブルシーンができあがります」

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パネットーネ

パネットーネ(パネトーネ)は、起源が3世紀とも15世紀ともいわれるイタリア伝統の発酵菓子パン。卵とバターたっぷりの小麦粉生地にドライフルーツをふんだんに練り込んだ、こちらもクリスマスの伝統菓子です。「パネットーネ種」という酵母を使ったものが正式で、イタリアではクリスマス前の4週間(待降節)に各家庭でパネットーネを焼き、親戚や友人に配る風習があるとか。ケーキのようにカットして食べるのが一般的です。ちなみにドライフルーツが入っていないものは「パンドーロ」と呼ばれます。

Hoshiya's VOICE
ホイップ生クリームとジャムを添えて。

「そのまま食べても十分においしいパネットーネ。脂肪分40%くらいの軽めの無糖ホイップ生クリームとおいしいジャムを添えて、粉砂糖をふり、ハーブを飾れば、見た目も味わいも立派なカフェ風のデザートになります。飲み物はアールグレイなどの紅茶も合いますが、イタリアの甘口スパークリングワインやスプマンテ、モスカート、ランブルスコなどのアルコールといっしょにいただくのもおすすめです」

Hoshiya's VOICE
ラム酒を塗ればサバラン風の味わいにも。

「まずは8等分したパネットーネの表面をトースターでこんがりと焼き色がつくまで焼きます。そして焼きあがった生地の表面にラム酒を塗れば、フランス菓子のサバラン風の味わいに。バニラアイスを添えてシナモンをふりかけたら、外はカリッとジュワッと、中はふわっと、ラム酒の味わいがアクセントになった大人のデザートが完成します!」

Otani 's VOICE
ハーブと苺でクリスマスケーキのように。

「パネットーネを平皿の中央にのせ、そのまわりをまるでクリスマスケーキのようにデコレーションしてみましょう。ローズマリーやホーリーバジルなどのハーブを散らして、彩りに苺も飾り付け。リボンをパネットーネ自体に巻き付ければ、緑と赤のコントラストも美しい、フォトジェニックなテーブルアレンジのできあがりです」

2019 三越伊勢丹 クリスマスコレクション
12月4日(水)〜25日(水)

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