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女正月しませんか
小正月の頃、女性同士で、のんびりと。

ご存知ですか?「女正月」

 読み方は「おんなしょうがつ」、俳句では「めしょうがつ」と詠まれることが多いようです。地方により異なりますが、1月15日の小正月の頃をいいます。
 昔の女性たちは、暮れは大掃除やおせち料理作り、年始は親戚や年賀客の接待で、年末年始はとても多忙でした。それらが一段落して、ようやくひと息つけたのが、松の内が終わる小正月の日。家事から解放されて、実家に帰省したり、年始の挨拶に親戚に出向いたり、寺社に参詣したり、着飾って芝居見物に出かけたり、女性同士で酒宴をひらいたりして、骨休みをする日でした。
 現代では仕事をしている女性も多く、小正月といえども、仕事や家事や育児でなかなか骨休みもできないのかも知れませんが、小正月の頃には仲のいい女性同士で集まって、気兼ねなくゆっくりと過ごしてみてはいかがでしょうか?
 今回は、フードスタイリストの中山暢子さんに、すてきな女正月の過ごし方や、心も体も温まって安らげる簡単メニューのレシピを教えていただきました。
  • フードスタイリスト
    中山暢子
    フードスタイリストとして、広告、雑誌等でレシピ、調理、スタイリングを提案。「peddle」の名で、ケータリングや食のイベントなども行う。

デパ地下グルメとカンタン料理で、
ホームパーティー。

 仲間うちの誰かの家、それが負担になってしまうようならレンタルスペースなどを借りて、ホームパーティーをひらくのも楽しそうです。
 すべてのお料理を自分たちで作るのは大変ですし、骨休みにならないので、お惣菜、チーズ、お酒やジュースなどの飲み物、フルーツやスイーツなどを百貨店などで買って持ち寄って、普段よりちょっと贅沢にデパ地下グルメを楽しむのもいいでしょう。人気レストランのケータリングやデリバリーサービスを利用するのも便利です。 
 昔から小正月には、邪気を払い、一年の健康を祈願して、小豆粥を食べていましたが、お正月で疲れた体をいたわるような、温かいお料理が一品でもあるとうれしいものです。
 たとえばポトフのように、みずみずしく、大地の力が味わえるような冬野菜を持ち寄って、煮込むだけのお料理はいかがでしょう。大きいホーローの鍋に材料を放り込んで、あとはじっくり煮込むだけ。味付けは塩と黒胡椒のみ。
 またこの時季は旬のいちごを使ったマリネはいかが?新鮮ないちごのみずみずしさが心も体もリフレッシュしてくれそうです。

骨つき鶏と冬野菜と豆の生姜ポトフ

材料)4人分
【骨つき鶏もも肉ぶつ切り(または手羽元)8切】【長芋250g】【じゃがいも(小)4個】【京人参1/3本】【ごぼう1/2本】【小玉ねぎ4個】【長ネギ1/2本】【大根200g】【かぶ(小)4個】【カリフラワー1/4個】【キャベツ1/2個】
※持ち寄りでお好みの野菜を入れて。どれか数種でも。
【白いんげん豆(水煮)100g】【生姜1かけ】【ナツメ4個】【松の実大さじ1】 【水800ml】
【塩、黒胡椒、エキストラバージンオリーブオイル 適量】
※パンを添えて。雑穀ごはんにかけていただいてもいいです。
作り方)
①長芋、京人参は皮をむき4等分に切ります。ごぼうはよく洗い4等分に切り、長ネギも4等分に切ります。小玉ねぎとじゃがいもは皮をむき、かぶはよく洗っておきます。大根は皮をむいて1cm厚さの半月切りにします。カリフラワーは小房に分けます。キャベツは芯を残し、4等分に切ります。生姜は皮ごと薄切りにします。
②鍋に鶏肉とカリフラワー以外の①と水、ナツメ、松の実を入れ、蓋をして中火にし、ふつふつとしてきたら鶏肉のアクを取り除き、蓋をして弱火で20〜30分煮込みます。カリフラワーと白いんげん豆を加えて10分ほど煮込み、塩をして味を調えます。
③器に盛り、黒胡椒、エキストラバージンオリーブオイルをかけていただきます。

いちごのハーブマリネ

材料)4人分
【いちご15粒】【リコッタチーズ 50g】
【ローズマリー(葉の部分)1枝分】【アーモンド 6粒】
【 A 【レモン汁 大さじ1】【はちみつ 大さじ1】【ブランデー(または白ワイン) 大さじ1】】
作り方)
①いちごは洗ってヘタを取ります。大きければ半分に切ります。ローズマリーは葉の部分をちぎります。アーモンドは粗めの大きさに切ります。
②ボウルに①とAを入れてスプーンで混ぜて10分ほどおきます。ツヤが出てきたら、器に盛ります。リコッタチーズを添えます。
ポトフができあがる間に、買ってきたお惣菜やお酒でのんびりとした時間を過ごします。テーブルの真ん中に大きいお鍋を置いて、気兼ねなくセルフでよそっていただきます。飲み物はボトルごとドンっと置いておきます。グラスは脚がないカジュアルなもので十分。好きなように各自のペースで注ぎます。食後はお茶やコーヒーを淹れて、デザートをいただき、また一年後みんなで過ごそうねと言い合えたら、それでいい。

小旅行にでる。たとえば温泉地のコテージへ。

日帰りで行ける温泉地で、ゆっくり温泉に浸かるのもいいですね。望むならコテージを借りて手作りランチ。自然の中でのデイキャンプは、いい気分転換になりそうです。時間があれば、もっと欲張って1泊旅行。暖炉や薪ストーブのあるコテージで、火の暖かさを感じ、炎のゆらぎを眺めながら、女性同士でゆっくりと語り合い、豊かな自然に癒されて過ごしたいものです。  いまでも地域によっては小正月に行われている「どんど焼き」ではないけれど、火の暖かさを感じながら、気の置けない女友だちと一緒に暖をとって、心安らいだり、一年の無病息災を祈ったり。暖炉や薪ストーブの火で作れる焼きりんご。コーヒーやホットワインともよく合います